3度の飯をきちんと喰っていることが
幸福だというのなら
私は生まれてこのかた一度も
不幸に落ちたことがない
心落ち着けて過ごせることが
生きているというのなら
私はまだ ただの一度も
生きたことがない
幼子の無力にも
思春期の迷いにも
若気の至りにも
片付けられない齢となって
朽ちてゆくことが見えた時
いよいよ焦りだす愚かさは
惑わずの境地には遠すぎて
思わず本を閉じたもの
病は幾らでも溢れる現世
照らせば幾らでも当て嵌まるこの身
けれど そんなものではなくてね
ただただ生きていたいのに
こんなに難いことだとは