さして変わらぬ背になって
虚勢だけ張る老い耄れが
なんと虚しい生き物に
見えてくる暮れもあるもので
不孝者呼ばわりは
好きなようにしてくれ
それで気が済むのなら
幾らでも詰れ
当たり散らしたその的が
格を持たぬと思っていたの
そんなことも考えていなかったでしょう
後戻りはできないもので
不孝者になるくらいで
済むのなら幾らでも
どうしても己の苦と
決別するために
朽ちゆくときは足掻くもの
虫も獣もそうでしょう
閉じゆくときは美しくありたいでしょう
そうはさせないわ
不孝者で結構
どうか人に与えた分は苦しんでくれ