傷を嘆く歌 多々あれど
痛み慰める節 溢れても
掻き消せない恥を
戻せない過去を
うまく処理する術は何処
寄り添えない方が罪か
寄り添ってと縋るが我儘か
大らか大雑把と
神経細かい人間の
図らぬ対立は絶えない
眩しければそっぽ向きたくなって
色暗ければ避けたくなって
泣いて喚いたのは生きたいから
理解されなくてもいい
否定されなければ
彼女のいちばん幸せな時と
僕のいちばん不幸せな時が
偶々に重なり合っただけかもね
10年経ってやっと分かりはじめる
取り消せない過ちが
掻き消したい過去たちが
責め来るときは仕様もない
頭抱えて居付くだけ
貪り食うこともできなくて
たとえできても
あの人の中まで入り込んで
記憶を喰らうことはできない
愛されるために人は生まれたと
だから赤子は皆笑うのだと
平気に綺麗な事を言う
それが根本に引っ掛かって
生きる地平が違うのなら
此方の心は放っておいて