おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

思い出してゆく情話

春は桜を愛でて過ぎれば

いっそ儚んでいいくらいでしょ

一瞬の命というけど

永く思える日々のこと

 

悩んでるくらいが

ちょうどいいよって

よく言われること

分かってるけどさ

 

渦の中にいる時は

終わりも見えず

もがき方も分からないでしょ

 

君の荒れた手が

少しずつ元通りになる季節

 

バッグにいつの間にか

忍びこんだ

花びら手にして思う春

 

時よ止まれも

早く過ぎゆけも

ないわ

ただ今思い連なることが

多くてやんなるね

 

明日また少し話そう

 

中野通りの

並木に沿って

ただ美しいと歌えたら

悲しい帰り道も一緒に

思い出してしまう性でも

 

君が振った手が

少しずつ見えなくなる五差路

 

帰り着いてまた

溜め息と幸福が紡ぐ春

 

時よゆけゆけ

あの日よ戻れ

どちらも思い通りにはならなくて

 

気にあてられて霞んでも

明日また話そう