おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

抗い、抗いきれぬ歌

何の理由もいらないから

生きて、生きてと歌う彼の

背に何が掛かっている

腹に何を抱えている

 

痺れたままで全身が

鉛のように在るのだけれど

 

それでも、それでもですか

言うなりになる

崇めるけれど

どこか疑いたくもなる

わけも無しに耐えられるものではない

 

生きていてもいいのなら

死んでいってもいいんじゃない

 

何かしらの倫理に反することは

うすぼんやりと知っているけれど

決して腹に落ちているわけではないから

 

生きて、生きてと繰り返す彼の

思いが届いたとは言えないけれど

それを繰り返し聞くうちに

一日が暮れることもある