おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

終わりどきの文

心を落ち着かせるには

だいぶ時間がかかるよう

名前のつかない苦しさが

腹から喉から込み上げて

 

もう仕舞にしましょ

生きているのか分からなくなる時

風はただの煽る凶器

心地よければいいなんて

そんな単純な造りじゃなくてよ

 

澄みわたりを見せられて

傷つく者もあることを

世の隅で呟いたら

 

風邪のひきはじめに見える臨終

息苦しさならお手の物

伝わらないけど誰にも負けないのよ

 

指先の感覚はいっそなくなったほうがいい

在るはずのものが亡くなる時

じんと色のない傷がつく

 

もう仕舞でいいの

生きていたかなんて保証もないから

風に身を任せるなんて

綺麗な歌は糞でも食らえ

とかく大衆に馴染まないのよ

 

空回りにお道化ても

生きていることが恥ずかしい

慣れただけで平気じゃない

 

風邪はぶり返す

戸惑いもする

息苦しさだけ平常の

伝わらなくても分かってほしいのよ

 

淡い期待は捨ててきた

分かりあえる1人を待ってる

息苦しさに咽ぶ時

世は破壊なくとも壊される

 

静かに失くすことほど

じんと悲しいものはないでしょう

愛されず朽ちたその息を

接いでここに置いてゆくから

見つけた人が歌ってね