まだ渚にいるのか
泣いた日を思い出していたのか
時代は移りどうやら
押し戻す波も無き様
これからはもう老いゆく身
添うとも守るとも言えぬもの
せめてせめてと念じれば
夢に立つくらいはできようが
怖がり 泣き虫
布団かぶって震えていた姿を思えば
ただただ遠く見もるほか
まだ渚にいるのか
風が好き 歌が好きと
燥ぐ姿も焼きついて
お前が嬉しがるのなら
世の波も抗えたのに
どうして昏い言葉を吐いたの
せめてせめて詫びるなら
息のあるうちにすればよかった
淋しがり 弱虫
知っていて傷を負わせた罪つくり
ただただ堪え見もるだけ