おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

a footling girl

陽気に蒸され寝落ちてまた

夕涼みに起こされる

日のめぐる部屋でよかったと

ぼんやり思うのに

 

欲しい届かないが湧きでてくる

いつまでたっても現金な頭も付いて

 

残念!きょうも現実の中に暮れる

物語は遠ざかるわね

どっかの占い師に言われたように

すっと消えてなくなるまでの人生

 

陽気に蒸されて明日もうだる

それだけわかってる

いいよ上等

 

欲張りの肩に日も翳る

いつまで待っても開かない扉壊して

 

だってね!きょうも精一杯の話

うざったいくらいの過去だけしょわされて

どっかの男が言ってたように

つまんない女で結構

 

陽気にうだされて

詩的な日は

どんどん遠ざかるわね

 

残念!きょうも現実は続くみたい

夢のまた夢

あたたかなだけの窓辺

いいよ別にお嬢じゃないから

 

ままならない身体で

夕涼みに起こされる

それも上等!

僕だけの海

また夢に見たの

遠い海は

砂も焼けて

夏盛りかしら

 

旅の人も

新しい人も

楽しんでってね

だけど片っぽ

僕だけの思い出だって

 

凪の日が多くて

波音

耳を澄まさなければ

 

教えられたことはきっと

これから先にわかるように

今は懐かしみ恋しがる

そんな子どもみたいなことで

いいんだと思う

 

また夢に見たよ

遠い海は

昔よりもっと

あついのかしら

 

凪を掬う風も

波間で

途切れないように遊んでね

 

教えられたことはきっと

やまほどあるのに

まだ気づけず

ただ思春期この世の鬱憤を

吐き出すだけだった幼さも

受けとめてくれる気がするのは

あなたが大きいせいかしら

 

その美しさに皆気づいて

人が押し寄せても

僕だけの思い出だって

 

教えられたことはきっと

これから先にわかるように

今は懐かしみ恋しがる

そんな子どもみたいなことで

いいんだと思う

whiner

いつのまにか傷は広がって

体中が熱を帯びてくる

慣れたとはいえ

心穏やかなものじゃない

 

幸せそうな人どころか

普通に歩いている人にまで

恨みつらみが湧く

これじゃだめだって考え直して

 

空を見るって単純な治療が

できなくなっているからな

ただただ苛立たないようにだけ

言い聞かせて

 

夜が明けても

泣いている泣いている

ろくに眠れないなんて

hypersomniaが聞いて呆れるわ

 

西の果て

西の果て

海は青

誰も知らぬほどの青

宿るもよし

ちょいと旅の人も

夕凪は優しいわ

 

都では随分早く

日は昇り沈むらしい

此処は夏などいつまでも昼

焼けてかなわない

 

耐え忍ぶような時代も

あったのね

きっと今もあるのね

 

西の果て

空も青

誰も知らぬほどの青

見上げても

繋がってはいない

夢のない青

 

都では随分柔く

あたたかいと思われている

嵐の贄のかなしさも

関わらぬままならいいじゃない

 

西の果てが果てである所以

どちらが先か知らないけどね

 

西の果て

何処までも青

誰も触れられぬくらいの青

苦しくも美しい

そうあれと願う青

 

西の果て

日は昇り沈む

人も生き

都と同じはずの営みが

どこかで擦れた時空

 

夕凪優しく

信じたくもなる

誰も知らない

西の果て

いとしの川流れ

川流れに会いたくてまた来たの

さやさや穏やかでなくてもいいわ

枝分かれした山向こうの家裏で

西瓜を冷やしていたこともあった

 

世はもう濁りはじめていても

残る清けき

その様に

 

会いたくて来たの

久しぶりね

砂利道すすんでも

それを押し流しても

あなたのようになりたいと

何度思ったことかしら

 

残る清けき

いとしい流れ

 

鳥声も花も耳に目につかない

貧しい心の持ち主だけど

何もかもとはいかないぶん

愛したらしつこかったりするのよ

 

日照り嫌って永久にあれなど

ほどよい日差しは好きだとか

 

自分勝手はね

治らなくて

物言わぬあなたが

余計に羨ましく

されど強か流る音

何度思ったことかしら

 

静に動にと

止まない流れ

 

世はもう濁りきったからと

押しつけがましく

求める清けき

我関せずと

静に動にと

ただただ続く

その様に

 

会えてよかった

久しぶりの水音

沁み入りつづけて残るわ

あなたのように生きたいと

今また心に誓うあわれの

 

やけに強か響く流れを

何度思ったことかしら

 

残る清けき

いとしい流れ

汗をぬぐって

汗をぬぐって思い出す

力も金もなかった

逃げ出す術も

 

だから今

なんのこれしき

今だって

力も金もなくとも

知恵がある

自分の心を確かめることもできる

 

頑張らなくてもいいんだよ

優しい人が唱えてくれても

今は強く強く行こう

汗をぬぐって走り出す

 

夏はどこまでも高まるだろう

抵抗どころか溶け出しそうな身を

引き摺って

今は励む

 

自分の心を確かめることが

できる

よびごえ

もう遠ざかってしまったの?

私が悪い気もするし

いつまでも卑屈では身がもたないわ

少しのグチくらい言わせてよ

 

日はもう高く

責めるよに射す

子等の声も

夏を深めて

 

問答止まぬ身を笑うよに

巡る気も今

盛りむかえて

もう遠ざかってしまったの?

気づく愛しい人に呼ぶだけ

 

忘れたように幸せの灯を

誰に送る 今日もあなたの

 

声が聞こえないそのかわり

自分で口ずさむ虚しさも

そうすることだけで繋がっている今は

いやに零れる

 

気にしすぎは毒だけど

気にしなくなったら終わりだと思うの

 

言い聞かせ

開き直りと縋りつくのを

繰り返してる

 

日はまだ高く

いつになれば

愛し夕べに涼めるかしら

 

問答止まぬ身も

まだどこか

繋がっていると願うだけ

まだ思っていてもいいの?

気づく愛しい人に呼ぶだけ

ささやかな身のたぐい

いつの間にか散ることを

知らせぬままゆく花を

途切れ途切れ

命に思いを馳せたら

倒れそうになった

 

黄色いメッセージ

太陽に向かうあなたは強い

生命にかこつけて

気を抜かないようにしなくては

 

いつの間にかいなくなる人を

単に寿命だと天命だと

軽く流してきた罰当たりかな

終わりを思うだけで

倒れそうになった

 

散り散り花火

夜空を咲いて

果ては心をぎゅっと動かしてゆく

この身で見て感じていなければ

夏越

また覚えのない痣の広がった

夏越は一筋縄ではいかないみたい

ギーギーとけたたましく

命上げる蝉たちも

 

ゆらりと一生思うには

差す日が強すぎて

見えないよう

 

越すために迎える夏を

聞き憶え忘れた歌を

汗まみれ乗り遅れても

いつか着くよう忘れたんだよ

 

冷えた西瓜の甘みに頼る

夏越は思い出に縋りがちだから

さめざめと泣くわけにはいかない

人々も

 

ふらと世を儚むには

鮮やか過ぎる色花火が

引き留めるよう

 

越すまでに覚えた歌も

一瞬で消える縁も

盆時に帰るあなたも

皆つつむよう覚えたんだよ

 

傷つく暇もないわ

昼も夕も忙しないものね

 

越すために迎える夏を

聞き憶え忘れた歌を

夏越は儀式のようで

あなたをつつむだけだよ

 

ただ霞む景色の奥で

涼しさを呼ぶよに連れて

夏越はやさしんだよ

聞き憶え忘れた歌も

 

いつか着くよう忘れたんだよ

なだれる時も遠いもの

夕涼みも叶わない

うだる季節の目の前も霞み

雨はまだか

去ったばかりの人を呼ぶよう

 

手前勝手につらつらと

電車待つだけで倒れこみそうな街

 

また会えると歌った人は

今いずこ

面影も見えないや

思った時に思った通りには

遠いものね

いつだって

 

杓子定規の歌なんて

電車待つ間に忘れてしまうから

 

ただ会いたいと願った人は

恋知れず

心にも住まないや

通い路のあると今現代に

唱えるのは

私くらいね

 

また会えると歌った人は

今いずこ

面影も見えないまま

夕涼みも叶わない世

遠いものね

霞んでゆく季節