夕涼みも叶わない
うだる季節の目の前も霞み
雨はまだか
去ったばかりの人を呼ぶよう
手前勝手につらつらと
電車待つだけで倒れこみそうな街
また会えると歌った人は
今いずこ
面影も見えないや
思った時に思った通りには
遠いものね
いつだって
杓子定規の歌なんて
電車待つ間に忘れてしまうから
ただ会いたいと願った人は
恋知れず
心にも住まないや
通い路のあると今現代に
唱えるのは
私くらいね
また会えると歌った人は
今いずこ
面影も見えないまま
夕涼みも叶わない世
遠いものね
霞んでゆく季節