おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

見舞

白いベッドに横たわる

そのさま

足が竦んだわ

あなたは生きているのに

生きているのに

まるで

 

何があったと人伝に

思いの丈は察せるくらいには

青春のとき

話したことを

覚えているくらいには

 

手を取ることも

見つめることさえ

怖くて怖くて

弱らないでこれ以上

 

私が言えたことではないけれど

ここで絶ってはいけないわ

 

季節

奇しくも春

風向き

憎らしくもなる

 

男と女なのだから

何もないとはいくらいっても

弁えなければいけないね

 

そうして置いた距離が日が

あなたに翳りに

気づけなかったのなら

これが後悔

 

暮らしてゆかなければならないから

与えられた星の地の

ほんの小さな病室で

思い致しています

 

生きづらいのは

誰でもそうと言われてしまう現代

だけれど

確実に

あちらに近い人っているものね

たくさん話したから分かる

苦しいのはもう我がことのように分かるけれど

 

あなたが言ったのよ

ここで絶ってはいけないわ