放課後
風のやわらかに反して
胸はつまり
たいして
楽しくもなかったけど
帰り道がつらいのは
もっともっと
苦しい場所へ
向かう足取りの
呼び名がそれだから
身体が浮きはじめたのは
感覚をなくしたいと思ったのは
いつからだった
もう思い出せない
いのちをつなげと
煩いうた
唯一頼りのラジオまで
嫌いにさせないでよ
ドアの前
一度立ち止まり
胸をさする
大丈夫だ
大丈夫なわけないけど
言い聞かせるのは
足踏み入れる
苦しい場所へ
苦し紛れの
儀式だったから
たのしくなくても笑えるのは
いくらでも頭がぐるぐる回るのは
能力じゃなくて
欠陥だからだ
いのちをまもる
精一杯
唯一頼りのラジオさえ
音も碌に拾えない町
救いがないな
小さな小さな
少女にこれ以上どうしろと
いのちをつなげと
煩いうた
途切れ途切れにまた責め来る
この世でいちばん
苦しい場所は
ここでだけは
あってはいけないはずだ
耐えて耐えても
明日が来ても
身を縮こまらせて
声も出なくて
1秒が永遠に思える
幼い者に負わすなんて
どうしたいなんて以ての外
どうすればいいかを考えるさ
能力じゃなくて
必須だからだ
いのち消え入る音のして
唯一頼りのラジオから
悲しいうたを
ありがとう
きょうもなんとか
沈んでゆけそう
明日が来たって
苦しいだけだけど