2人並んで
草むら寝ころんで
何もないことを
風のさまを
見ている午後
鐘もぼんやりと
暮れるまで
まだ刻はある
何でもないことを
話してもいいね
べつに
話さなくってもいいね
こんな心地になるまでに
ずいぶん長くかかったけれど
弱った手を握ってくれたこと
考えて考えて言葉おくったこと
今につながっているのかなと
それもぼんやり思っている
草むらは
心地がよくて
作りものの何よりも
もう少しある
2人の刻を
ただ風に揺れていたい