おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

楽園の罠

果実にはじまり果実におわる

決まったままに動いているだけ

落とされたつもりが自分の意志で

人間に抱かれることもある

 

都合のいい時だけ天を向く

言を唱え歌など紡いで

さぞ滑稽 なお感傷

人間に殺されることもある

 

楽園は

帰りつく場所だと思っているでしょう

 

果実にかじりつき呪いを受ける

隔世で呪い子の来ることもある

腕に 強い目に勝てない女は

さやさやと抱かれるだけのこと

 

神に近づいたと思った詩人は

夢ばかり見て遠ざかってゆく

その正体 まだ安直

人間に愛されること望んで

 

楽園は

生まれついた場所だったこともあるでしょう

 

女はただ目を閉じるだけよ

夜を彼がつくるのなら

忘れえぬ甘いあまい

物語の最初みたいに

 

楽園は

そのうち朽ちるまで心のうちにあるのでしょう

楽園は

帰りつく場所だと思っていたでしょう