おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

記憶の海に住む時は

今さら海が恋しいなんて

子どもっぽいこと言えないか

せめてもの思いじらしで

開ける道が好きになる

 

投げたボール

返ってこなくて

追って入った砂浜も

綺麗事みたいに

空は繋がってると言った大人も

今ならわかるよ

 

遠ざかってゆく日に添えば

記憶は近づくよにできて

うっかり笑いそうになる

苦しい部屋から描く時

 

海が

どんなに恋しいか

 

夏の花火は当たり前に

過ぎたから浸る間もなくて

それで一生つきまとうほど

あの灯りは綺麗だった

 

なんで1人の帰り道には

思い描きだけで渡れた橋も

手を引く親がある恨めしさ

忘れたころにやってくる

 

遠ざかってゆく日おもえば

記憶はもうそこにいて

うっかり泣きそうにもなる

自由な都会で振り返る時

 

夏が

どんなにもの悲しいか

 

灯り消しても

追ってくるなら

記憶の化身と呼んでくれ

そしてどこかに葬ってくれ

 

遠ざかってゆく日に添えば

記憶は近づくよにできて

うっかり笑いそうになる

苦しい部屋から描く時

 

海が

どんなに恋しいか