昼寝覚めの間に雨は降り込み
見て見ぬ振りもできたもの
髪切る飯食む
雑多は幾らでも並べて
現実で現実を遠ざけよ
今生では叶わぬと云う楽もある
夕風吹き込み
そぐわぬ高速道路の
明かりと車の音
いやに懐かしい人が夢に立つ
言葉聞き取れぬのに
追い詰めてくる
いつまでも夢見るは
若い証拠と言われたけれど
過ごすに過ごせなかった
子ども時代をなぞっているだけでしょ
いつまで
夜汽車が音立て
これは現か
境目に立っている気が
思えば
夢見はいつまでも続く
記憶の整理が尽かぬから
降り込め
雨くらい飲んでやろう
崩れるなら私だけじゃなくて
世が皆少しずつ歪んでゆけば
気づかず消えてゆけるでしょう