おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

地の気のはなし

電車に乗れば大概の町には辿りつける

外れに住んでも歩けばいつかは着く

そんな人にはわからないでしょう

大気から違う地のことを

思ったことがありますか

 

三つ子の魂

なんと酷な言い伝えでしょう

植えて根づいて離れぬ感覚を

持つ人の

朽ちるまで続く

 

金でも愛でもないのです

ましてや血でも種でもなくて

受け持った魂と地の気が

稀に合わさった時

およそこの世で生きるには

難い心ができあがり

暴れ苦しむこと知っていますか

 

旅をすれば知った気になり

なんと胸打つ息吹でしょうと

薄恍けた感動に

鼻で笑いたくなるものよ

そんな気力も残っていないけれど

 

欲でも見栄でもないのです

まして病や瑕疵でもなくて

託された魂と地の気に

押し潰される弱き身が

なおもこの世で生きるには

言葉を吐いて穢れ見て

堪えゆくしかないのです

 

なんと残酷な地と気のはなし

言い伝えにも残らぬほど

知られず浮いてきただけでしょう

 

金でも愛でもないのです

ましてや血でも種でもなくて

受け持った魂と地の気が

稀に合わさった時

およそこの世で生きるには

難い心ができあがり

苦しみ朽ちること知っていますか