三つ子の魂百までという
恐ろしい言葉がある
物心ついて己の頭で
考え始めたころには手遅れの
彼是が覆いかぶさり
または足らずして
支配してくるのだ
恨みつらみで生きるのは
格好も悪いし落ち着かない
けれど
そうするほかない者が
平気で幾人も生まれ育つ
誰がどうしてくれる
親孝行したい時に親は無しというが
逆に問い質したい時ももういない
なぜ先に生まれ死ぬだけで
偉ぶっているのか知れない
2世、3世と経る者からすれば
年齢などおよそ記号以下
それでも自ずと滲み出る
今世で生まれしなに受けた愛
受けなくてもまた染みのように
残る厄介がどうしてくれる
子を持てばお前もわかると
講釈垂れる前に聞け
歪な家でぐらつく人間に
育てられたことがあるか
己の頭でいくら考えても
もう一生手にできないものが
あると知る
生憎聡い子になってしまって
愛を乞う
不安を拭うための
そんな虚しい生き物に
してくれたのは誰
許せるはずもないでしょう
そんなことがこの世には
幾つか転がっているじゃない