おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

いばら野分も

野分の呼ぶまま

ふらりと仰ぐか

もう巫女も果てたあと

静か祠に手を合わせ

 

乱れた帯の思ひ出を

かじの強きに描いても

散る葉と

荒狂う木々の

調も成さぬ

情けなき夕

 

野分のにおいにも

つられた凪にも

まだ神子の知らぬこと

幾つか唱え手を合わせ

 

濡れた足もと

思ひ出すにも

かじの強きがじゃまをして

立つ波

逃げ惑う貝の

静かな時分

思ひ出すだに

 

かじの強きに描いても

調とどかぬ

情けなき夕