人のまだ家路遠い真昼に
電車ゆられ川流れを見ていた
もう終えてもいい人生を
ひと房ずつつないでいるようで
泣いたりはしないよ
大人にならなくても
耐えてばかりで
いつか壊れると人の言っても
そうなっても守りたい
ちっぽけで揺るぎない矜持とか
夕刻の人だまりとは違う
電車ゆられ眠りに堕ちていた
まだ始まってもいない人生を
手さぐり作っているようで
無理に笑わないよ
無邪気を失っても
耐えてばかりの
壊れかけた心でもいい
虚ろなまま人のふりができる
故に我ありは
もうそのくらい
朽ちても果てない
似て非なる矜持とか