眠り落ちそうな真昼の窓
差し込む日はきっと高く
薄緑の電車が走る
見えなくても車音きこえる
もう大丈夫
夢の中で抱きしめてくれた人は遠いなぁ
ずっと昔の声を呼び起こす
こんなに残ってることが尊い世
明日は雨の予報
それはこちらで決めるから
黙ってTVの音を消す
順繰りだって
思い過ごしだって
疾うに落ちたか真昼の野辺
背に受ける日はじっと熱い
漏れくるようにできている
さやさや葉音きこえる
まだ大丈夫
夢を見られれば
一時救われる気にもなるなぁ
腹も背も痛みに耐えた褒美
明日も変わらずここ
臥せて確かな世を見るなら
そっと不器用に書き残す
いのちそのもの
思い過ごしだって
憂う未来は
憂いたとして
想像してる時点で希望でしょう
消えゆくことも
朽ちる身体も
想像することがもう
差す日のようなものでしょう
明日は雨の予報
それでも一向に構わないから
黙って車音を焼きつける
夢に見た葉もまだ揺れている
いのちそのもの
思い過ごしだって
こんなに思えるなら上等
憂う未来も
あぁゆかし
眠り落ちそうな真昼の窓