肩を掴んだ
手の強さに
僕とは違う人だと思った
涙まじりの
好きと言う言葉
受け止めてくれただけでよかった
幸せには
いちども出会っていない気がするけど
君といた時間が
もしかしたら
それだったのかもしれない
叶う時に怯えていた
遠ざかって恋を知るの
腕を離した
そのあとにも
感触はのこり
十年経っても思うなんて
空が繋がっているなんて
夢見る年を過ぎても
風が吹いているだけで
泣いちゃうのは変わらないよ
もう眠るように逝って
それでいいんじゃない?
随分長いこと考えてみたけど
もういいやって思えるくらいの
思い入れの無さだもの
此方が素晴らしいと
思う人は思う存分
生きてみたらいいんじゃない?
今日の喜びなんか数えてさ
捻くれた思いは
一緒くたにされて
捨てられもせずに
亡霊になってうろつくだけ
教会の澄んだ鐘は
心無しとしても痛いから
ステンドグラスの日映りも
遠くとも眩しいから
もういいでしょ
間違ってないひとだけで
此方の世界を作るといいわ
1曲歌ううちに
解決する悩みなんて嫌いだわ
何を死にそうな顔で
そんな仕草だけしてるの
私はもういいわ
随分長いこと考えていたから
改札を出た時はまだ
雨はぎりぎりしのげた
ちょっと走っただけで
息切らしちゃった
帰り道も着いてからも
ずっと反芻
言葉より声が残ってたりする
あぁ吊り橋と
思い違いしてないかな
ちゃんと確認しようとするけど
自分じゃわからないもん
ダイエットは明日から
ショートケーキほおばる
だって雨しのいだ
ごほうびだっていいじゃない
恋の予感なら
今も何だったら少し前から
体温が上がった気がした
気のせいかな
おいしいとこどりは
できないんだもんね
それでも貪欲な願いは
湧きでるのよ
女の子だもん
窓の外側
四角い雨粒
迷いこんだ子猫ね
アナログに行きましょ
もう1人の自分が
見てるはずかしさに
どうか今日は勝って
ひたってみたいよ
いいでしょ??
ダイアトニックから外れてゆくとき
不安とは違うものに胸をぎゅっと
ほらそれは物心ついたころからだったでしょ
大人になって
仕組みが分かってうれしかったもの
解きあかしてゆくように
果てしなく複雑で単純な深みへ
およそ一生かけても
足りない足りないと思うもの
あぁそうやって生きてゆけばいいのね
苦しいも特別も
本当は良い歌のように
連れてはゆけないけれど
もう諦めのようになってでも
生きてゆくしかないのね
解きあかしたいものを
もらったんだもの
水辺をうたった歌が多くて
勝手に馴染みと思ったものよ
だけれど
岩肌 風の厳しさ
思い描きつづけた柔らかとは違って
ますます吸いこまれていったものよ
まるでその土地で生まれたかのように
知った言葉に似た
知らない言葉が
心地よく響く
魔法のような島よ
船が向かう先は
さらに小さな島
逃げ漕ぐ歴史が
他人事とは思えなくて
荒れ狂う波に
追われ小さな聖域に
なんとかなんとか
祈りを捧げたものよ
水辺をうたった歌の多きは
須く繋がっているということかしら
ありきたりの考えでも
その昔 当たり前でなかったことを思えば
追いこまれながら
放たれる祈りを
思えば思えば
胸をふさぐものよ
また季節のものかしら
赤く搔きむしって
夜も夜で眠られぬ
小さきがさらにうずくまる
ねんねんころりなど
経のようなものでしょう
あなたにとっての世界は
知るか知らぬかのそれだけで
あぁ代わってあげよと
はじめて思う
こんないのちに会えるとは
綺麗な道も肌も
暮れ時も
無い星に生まれ息をする
なんて柔らかで脆いのかしら
明日も知れぬは私もあなたも
せめて夜どきに添ってたい
泣き虫わめきの可愛げなさと
すやすや眠りのいじらしさ
天にもらったものだと
はじめて思う
こんな日が来るとは
風当て 蒸す夜を少しだけでも
ゆんゆん揺りかごの唄に
なれますように
あぁ生きていてよと
こんなに思う
柔き肌もこころもね