おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

鐘の音に思い出したこと

何枚か残った写真に

屈託なく笑う君がいて

あぁ少年少女のころは置かれた環境がすべて

なんだかズルイなぁとまで思ってしまった

 

風邪ひいて落ち込むって変だよね

なかなか君の教室まで行けなかった日も

ぐっと堪えてたあれこれが

何でもないことなんでしょう?

 

いいなぁ

皮肉言いながら本当は羨ましくてならない

純粋な目で性善説で生きている

教会で聞いた話を

そのまま受けて

しっかり自分のものにして

生きている

 

遠いものに思えた

恋に紛れて憧れていた

 

写真は伏せておく

青い季節が恥ずかしい

それでいいんだけど

物も知らぬ何も疑わぬ時期が

ないことが辛いね

 

でもなぁ

戻りたいなんて

その辺の歌みたいなこと言いたくないし

純粋な目が過る時

私は違うって

唱えれば一際

ズルイ自分の思いの内が

見えてくる

 

遠いものを信じて

恋と騙って憧れつづく

やわらかさの中

日差しの色が春になった

誰かの憂い運び去るよ

今だ青き心のうちに

このやわらかさが届くよう

 

必要な場所に

必要なだけ

人や愛や苦や時間が

あればいいのに

儘ならぬ世に一石

否、石どころではない

もっとやわらかきが届くよう

 

季節を告げるようにできている

綺麗ごとでいい

できている

春さえあれば心地は少しだけ

上向くようにできている

 

電車のドアに依りかかった

描きすぎた夢は滅ぶよ

今は青き空の光に

まだやわらかさを覗くよう

 

期待したりね

絶望したり

人も愛も苦も時間も

思い通りは

遠ざかる世に一時

身を置くだけで心はもう

ぐらりとふわりと旅する模様

 

季節が過ぎる中に生きている

綺麗ごとは時に

澄んでいる

春、真中の心地に少しだけ

浸って暮れる世も暮れる

清明の床

体が重いな

だけどそんなことばかり綴っていたくはないな

清明に反するのは違う気がする

変なとこで律儀

 

声を上げ歌うのが心綴り残すのが

唯一の

この世で苦痛なくできる業なのだけど

 

もう今は気も果てて

春うららかに出ることもできぬ

いつ何時、身が果ててもおかしくないでしょう

 

また臥せた床より

暦紡ぐ方へ

薄らとしか、見えもしませんが

息吹、営みを有難く

日の始まる

眠り起きたらもう全部

波が引くように行ってしまわないだろうか

布団を頭までかぶって

念じる癖はなくならないね

 

ガラス越しの光だけで

とりあえず朝がきたことは

十分すぎるくらいわかる部屋だよ

一昨日から身体は重苦しいままでもね

 

口ずさむ力もなくて

それでも微かに流れる歌が

皮一枚、この世に繋ぐ

あぁまた今日を始めるほかは

 

言い聞かせてるだけでもう

本当ではないんだけどさ

これが陽も受けない部屋だったら

もう沈みこんで起きあがらなかったかも

 

手を伸ばす力もなくて

鳥の声だけ聞こえる空が

皮一枚、この世に繋ぐ

あぁまた今日が始まるのか

 

口ずさむ力もなくて

それでも微かに流れる歌が

皮一枚、この世に繋ぐ

あぁまた望まずとも始めるのなら

明けの苦情歌

古、囚われの姫には

たいてい救いが現れる

片や、この身に起こる苦に

何か降る気配もない

 

物語は綺麗に進む

扱えない類があるのだろう

苦さえ美しさ孕んで進む

私の錘はどう処理しよう

 

陽も猛き春あけぼのに

重き身体を上げるのは

毒と苦と動悸と心痛となんて

歌にも落とせぬのは

 

物語は良きに終わる

魅せるべき未来があるのだろう

予感は美しさに寄り終わる

私の錘は穢れのように

弾き出されて

 

陽も猛き春あけぼのの

律儀にあると心地よさ

それも跳ね除けるほど強く

この身にまさか枷持つとは

 

陽も猛き春あけぼのに

重き身体を上げるのは

毒と苦と動悸と心痛となんて

歌にも落とせぬのは

春の宴

夜桜、見てたはずの目が

閉じて、思い浮かぶになる

 

通りは春に覆われた

もう世を忌み憂うこともない

 

春さ、春さ、夢の宴よ

泣くも笑むも貴方の心地

どうか、どうか、幸せにありますように

黄泉も浮世も

 

酒は飲めぬか

硬いこと云わずにおって

交わす盃

 

気まで春に覆われた

己を悔やみ責めることない

 

春さ、春さ、夢の宴よ

眠り起きるも貴方の心地

どうか、どうか、幸せにありますように

其方も此方も

 

桜気に包まれればもう

手に内でしょう

知らず知らずのうちでいい

導かれ今宵

 

春さ、春さ、夢の宴よ

泣くも笑むも貴方の心地

どうか、どうか、幸せにありますように

黄泉も浮世も

 

どうか、どうか、幸せにありますように

眠り醒めても

嘆きの隣で


嘆きの隣で

 

花を散らすの? 珍しいわね

束ねて供えるものだとばかり

 

この土地の風習なのかしら

眠りびとと決めたあなたのやり方かしら

 

嘆きの隣にいる時には

その嗚咽さえも羨ましく思える

嘆きの隣に立つ僕は何もない

ただ心臓が

 

吹かれ花弁 どこへ行くのよ

弱き背中を やわらか髪を

揺らすだけに留めておいて

 

らしくもない願いが

 

嘆きの隣で物思いは

抉られるよう

はじめからひとりを

優しさ欠片もない僕は

寄り添えぬ

 

風除けくらいに思って

失うも得るも無き身を

 

ただ心臓が溺れるようだ

石に花 止まぬ涙

通りすがりは微笑むほか

 

今隣にあるその嘆きが

疎ましくも 眩しくも

愛した誰かを思うのなら それだけで

 

嘆きの隣に立つ僕は何もない

まだ心臓が

春のことば

きょうはいつもより少し長く

電車を待ってる気がするわ

線路向こうの看板の色

覚えてしまうくらいには

 

春の風に問う

本当は好きで好きでたまらないのに

いつから捻た思いが先に立つようになったのだろう

 

そうしなければ生きてこられなかった

狭いハコならなおのこと

 

だから大丈夫よ

未来は明るいって

ありふれた台詞を今

本気で唱えてみる

 

詰めこまれ押しだされるような

人の群れの一部になって

嫌な気はしないよ

もししてても大したことじゃないよ

 

春の風を見る

窓越しでも好きで好きでたまらないんだなぁ

いつかは息吹、あなたに向かい手紙でも認めたい気分

 

そうすればもう生きていけると

簡単な1つは見つからずとも

 

だって大丈夫よ

未来は見えないって

しゃがみこんでたのに今

ここに立ってるでしょう

 

電車1本逃すのも悪くないね

格好つけたこと言ってみる

 

春の風を呼ぶ

本当は好きで好きでたまらないんだよ

人恋しさなど比べものにならないくらい

You raise me up をあなたに言いたい

 

もうね大丈夫よ

未来を生きるって

ありふれた台詞を今

 

大丈夫よ

未来に立ってるって

こんな気分なのね

 

棘を受けても

錘持っても

春の風にいる

 

大丈夫よ

生きていられそうだね

はびこるもの

近い将来、後悔すると

脅すように鳴るのが嫌だ

感受乏しく在る人には

ただのしつこい電話くらい?

 

どうしたって生き死には

順番っこになっていて

たまに悲しく乱れたりするけれど

 

おさな記憶は致し方ない

愛を受けても理不尽飲めば

あぁ世は暗く重く見えるのよ

枷のように鳴るのが嫌だ

 

すっと外に出て息をするけど

風の爽やかなどに頼れない

あなたは何にも悪くないのよ

欲しいのはたった、その一言

 

どうしたって消え行く身は

愛おしめと詰め寄る世

だけど此方も散りゆく最中

 

ほんの少しがどこまで分かつの

苦を受ける者、受けさせる者

あぁ未来は遠く重く見えるのよ

思えば刹那すごすだけが

 

こんなにもこんなにも

 

出自、憂いは致し方ない

悪か善かに傾くもできない

あぁ世が暗く重く見えても

それは目が芯が確かな証拠

 

近い将来、後悔すると

そんな日が来たら強く言ってね

あなたは何にも悪くないのよ

欲しいのはたった、その一言