おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

やわらかさの中

日差しの色が春になった

誰かの憂い運び去るよ

今だ青き心のうちに

このやわらかさが届くよう

 

必要な場所に

必要なだけ

人や愛や苦や時間が

あればいいのに

儘ならぬ世に一石

否、石どころではない

もっとやわらかきが届くよう

 

季節を告げるようにできている

綺麗ごとでいい

できている

春さえあれば心地は少しだけ

上向くようにできている

 

電車のドアに依りかかった

描きすぎた夢は滅ぶよ

今は青き空の光に

まだやわらかさを覗くよう

 

期待したりね

絶望したり

人も愛も苦も時間も

思い通りは

遠ざかる世に一時

身を置くだけで心はもう

ぐらりとふわりと旅する模様

 

季節が過ぎる中に生きている

綺麗ごとは時に

澄んでいる

春、真中の心地に少しだけ

浸って暮れる世も暮れる