おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

恋唄拾い

置いてきた恋を海へ

海へ

連れ戻しにゆく旅は

 

自転車走らせたから

思ったより息も上がり

進められた歩幅

 

砂に照りつける日と

風も遮るものない町の

7月はもう灼熱

大丈夫

失ったわけじゃない

 

言い聞かせる恋を

そう思えばティーンエイジャーと何も変わらないのね

ちょっと恥ずかしいね

海の前だから許してね

 

日暮れまで待たなくても

どうせ泣いちゃうなら

早いほうがいい

今こそ思いに身を任すのよ

 

遠い街の人ね

もう会えないから

何を思っても自由なはず

 

不意に押し寄せる波と

予測つかない感情の先

7月の背中追った

大丈夫

忘れるはずもない

 

呼び覚ませる恋は

どう思ってもこれからを眩しくさせるわ

もっと感じたいね

海の前だからなおさらね

天への手紙

今でもふと気付けばあなたの顔が浮かびます

今でもふとした時にあなたが隣に居てくれるようです

 

私はあなたの分まで生きると決めたの

まだまだ弱くて小さなこんな魂で

 

最後の瞬間まで必死で息をしていた

あなたのその心を永遠に忘れない

 

今でもふと気付けばあなたの笑顔が溢れて

今でもふとしたときにあなたのことばかり思い出して

 

私はあなたの分まで生きると決めたの

まだまだだらしない私だけど

それでもこの命の灯を燃やせる限り

燃やし続けると

誓った あの日に

 

今でもふと気付けばあなたの顔が浮かびます

今でもふとした時にあなたが隣に居てくれるようです

 

最後の瞬間まで必死で息をしていた

あなたのその心を永遠に忘れない

あなたの分まで生きると決めたの 私

あなたのその心を永遠に忘れない

私が身を投げても

この川は何事も無かったかのように流れるのだろうか

やがては大きな海と溶け合って

空となり風となり吹き抜けるのだろうか

 

私が異を唱えても

この街は痛みすら感じずに華やぎ続けながら

影すら無い魔性の生命なら

せめてこの硬い背が震えてくれるのを待つか

 

この一身じゃ

たった一つも守れないけど

たった一つを信じてることで

たった一つも歌えないけど

たった一つを夢見ていることで

 

吹く風に目を覚ませ

吹く風に目を覚ませ

私にはその他に何もできぬから

 

私が歩を進めた その先は

静寂か安楽か それすら痛みなのか

誰かの声だけは聞こえるのに

ひたすらに耳澄ます それさえも夢なのか

 

私が息を切らす その時は

何事も無かったかのように笑いながら

いつかは帰るべき場所があると

幻でもいいからと思い続けながら

 

この手では

たった一つも摑めないけど

たった一つを追い求めている

たった一つも分からないけど

たった一つに成る日のために

 

吹く風に目を覚ませ

吹く風に目を覚ませ

私にはその他に何もできぬから

 

吹く風に目を覚ませ

吹く風に目を覚ませ

私にはその他に何もできぬから

 

この一身をもって

風を吹かせる

風になる

 

この瞳じゃ

たった一つも探せないけど

たった一つもを内に秘めることで

たった一つも叶わないけど

たった一つを歌い続けることで

 

吹く風に目を覚ませ

吹く風に目を覚ませ

私にはその他に何もできぬから

 

吹く風に目を覚ませ

吹く風に目を覚ませ

私にはその他に何もできぬから

暮れの眠り

また暮れの日を見て眠りに落ちた

私には残酷な早さだ

たった1時間足らずの違いでも

狂わされたように

夢みの悪いこと

 

如何ともし難い素性と

薄まるどころか重くなる性

眠たまなこには酷な月

己は何者 何を望む

 

きっと必要とされたくて

できれば褒めてほしくて

だからって

誰彼となく愛すわけには

 

時刻と日付に敏感なせい

いつまでも記憶の鮮やかなせい

まだ暮れるはずのない空が落ちる

狂っているのかと

己を疑い 夢に逃げる

 

星の見える町で便利がいい

海の目の前で安全がいい

そんな狡さを

心の外にひけらかすわけには

 

眠ろうと 喚こうと

知ったことない空でしょう

繋がってるなんて綺麗なことを言わないでよ

 

きっと必要とされたくて

できれば褒めてほしくて

だからって

誰彼となく愛すわけには

やわらかさを以って

きのうの憂いも溶けるような

淡い、甘い、人と人の

鏡とはよく言ったもので

笑顔つくれないまでも

目を見ていれば

 

吐く毒は幾らでも

携えておりますとも

なけなしのやわらかさを以って

あなたに触れたい

 

今日の慎ましさも消えるのか

巡ることは、怯えること

浮世とはよく言ったもので

ふわりと不安と生きる

手を離す過去

 

気だるさは止まずあり

治ったそばから降る病

ひとときの静けさを以って

幸福とするか

 

まだ毒は幾らでも

生まれてゆくのでしょう

なけなしのやわらかさを以って

あなたに会いたい

 

せめてもの

せめてもの

やわらかさを以って

息をつづけたい

流れる時に身を任すまい

のまれてゆく夕べを恨むな

朝を迎えるための儀式だ

一日が巡る

なにげない尊さ

 

この葉散る秋にこころ乱れても

雪に埋もれ黙りこんでも

春を迎えること

季節は巡る

 

日がな一日、

年がら年中、

泣き暮らしても

敗れ去っても

巡ることこそが必要十分の

救い、なのに

 

なぜに時だけが

戻ること知らず

こんなに胸を締めつける

 

終わることを見て

生きてゆく流れ

怖いどころではない流れ

 

気づかぬうちには

巡るように見せて

日も季節も流れ去ることに

気づかぬうちには

 

ただ時だけを

悪者のように仕立て

恨みつらみ怯えそびえ

 

流れに身を任すなど

もってのほか

超人の粋

私には出来ぬこと

 

日がな一日、

年がら年中、

ささやかな楽しみも

少し見せた笑顔も

巡ることこそが必要十分の

救い、なのに

 

なぜに時だけが

戻ること知らず

こんなに胸を締めつける

 

終わることを見て

生きてゆく流れ

怖いどころではない流れ

いのち

いつかは消えゆく命を燃やせど火煙は立たぬ

それ故 証を求むは命の性とも言えよう

 

神は今 何処におわすや 天と決むは人の心

 

悲しみ暮れゆく命は十字に祈りを捧ぐや

 

この世 生きゆくもの全て 人の手中か

驕りはいつしか悲しみへ降り注ぐ

 

いつかは消えゆく命を燃やせど火煙は立たぬ

それ故 証を求むは命の性とも言えよう

 

愛は今 何処へ行ったか 無しと決むはまだ早い

 

燃やした命に証はそのまま付きゆく

 

求めずや 生きゆけや 命のまま

求めずや 死にゆけや 命のまま

 

いつかは果てゆく体よ 燃やせど燃えぬや心は

それ故 煩うこと勿れ 命の性のまま受けて

 

いつかは消えゆく命を燃やせど火煙は立たぬ

それ故 証を求むは命の性とも言えよう

 

いつかは果てゆく体よ 燃やせど燃えぬや心は

それ故 煩うこと勿れ 命の性のまま受けて

おもいだす春

草のうえに陽を受けて寝転がったね

春、春

唱えるよ

無意味だと人が言っても構わないさ

 

僕ら二人

愛でもなく

同じ時間にいることが

どれだけ尊い

日常の雑多に知ったはず

 

風の香り

久しぶりだね

陽に焼けちゃって後悔するかな

それもいいさ

季節をもつ星のうえ

 

人の波に押しこまれ

目をつむった昨日、今日

忘れそう

空が高いことだけがわかってみた

 

僕ら二人

いつまでも

同じ空間にいられないことが

どれだけ尊い

一瞬の春に知ったはず

 

風は運び

いつか会うまで

身にしみたって持っていられるかな

少し歌い

季節なぞる星のうえ

 

草のうえに陽を受けて寝転がったね

春、春

ロングダンス

長い長い道を走り続けたら

きっと何か得られるだろう

 

人は一生を道に例え

歩いたり走ったり

時に立ち止まるのもいいさと

心慰める

 

いつかは辿り着く

もしも道に迷っても

誰かに会える

何か分かる

そんな期待で進むのだろう

 

―それなら、

ひとり、ここで踊っている私は何だ?

狂ったように舞い踊る

この様は何だ?

 

気づいた途端に滑稽でならない

いったい何が得られるだろう

 

人の走るを横目に見て

回ったり手を翳したり

それはそれは狭い空間で

踊り狂う

 

どこへも辿り着かない

始まりから分かりきって

誰も止まらぬ

何も分からぬ

なんの因果で踊り続ける

 

―それも、

心の中の話だ

なんて陳腐な

歌に合わせ舞い踊る

この様は何だ?

 

人は一生を道に例え

私は生きているかも知れぬ身で

舞い踊る

 

―踊らされている

 

ひとり、ここで踊っている私は何だ?

狂ったように舞い踊る

この様は何だ?

天明

いつから弱くなったのか

止まぬ空に呼びかけてみる

答えのないこと

あぁだから歌いはじめたんだった

 

こんなはずじゃなかったのにな

古いノートを見返してみる

青春のそれとは違う嘆きが

私は異物だと言っている

 

雲は流るのに

とどまる口惜しさよ

誰に叫べば

 

いっそ果てて

示そう衝動を

こんな小さな体で生きているだけでは

誰にも伝わらぬのだから

されど果てて

示したつもりで

こんな小さな体が消えたところで

誰も気づかぬのだから

 

だから生きるなんて

なんて虚しい理由

それも救いだって

言い聞かす虚しい性