私が身を投げても
この川は何事も無かったかのように流れるのだろうか
やがては大きな海と溶け合って
空となり風となり吹き抜けるのだろうか
私が異を唱えても
この街は痛みすら感じずに華やぎ続けながら
影すら無い魔性の生命なら
せめてこの硬い背が震えてくれるのを待つか
今
この一身じゃ
たった一つも守れないけど
たった一つを信じてることで
たった一つも歌えないけど
たった一つを夢見ていることで
今
吹く風に目を覚ませ
吹く風に目を覚ませ
私にはその他に何もできぬから
私が歩を進めた その先は
静寂か安楽か それすら痛みなのか
誰かの声だけは聞こえるのに
ひたすらに耳澄ます それさえも夢なのか
私が息を切らす その時は
何事も無かったかのように笑いながら
いつかは帰るべき場所があると
幻でもいいからと思い続けながら
今
この手では
たった一つも摑めないけど
たった一つを追い求めている
たった一つも分からないけど
たった一つに成る日のために
今
吹く風に目を覚ませ
吹く風に目を覚ませ
私にはその他に何もできぬから
吹く風に目を覚ませ
吹く風に目を覚ませ
私にはその他に何もできぬから
この一身をもって
風を吹かせる
風になる
今
この瞳じゃ
たった一つも探せないけど
たった一つもを内に秘めることで
たった一つも叶わないけど
たった一つを歌い続けることで
今
吹く風に目を覚ませ
吹く風に目を覚ませ
私にはその他に何もできぬから
吹く風に目を覚ませ
吹く風に目を覚ませ
私にはその他に何もできぬから