おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

ロングダンス

長い長い道を走り続けたら

きっと何か得られるだろう

 

人は一生を道に例え

歩いたり走ったり

時に立ち止まるのもいいさと

心慰める

 

いつかは辿り着く

もしも道に迷っても

誰かに会える

何か分かる

そんな期待で進むのだろう

 

―それなら、

ひとり、ここで踊っている私は何だ?

狂ったように舞い踊る

この様は何だ?

 

気づいた途端に滑稽でならない

いったい何が得られるだろう

 

人の走るを横目に見て

回ったり手を翳したり

それはそれは狭い空間で

踊り狂う

 

どこへも辿り着かない

始まりから分かりきって

誰も止まらぬ

何も分からぬ

なんの因果で踊り続ける

 

―それも、

心の中の話だ

なんて陳腐な

歌に合わせ舞い踊る

この様は何だ?

 

人は一生を道に例え

私は生きているかも知れぬ身で

舞い踊る

 

―踊らされている

 

ひとり、ここで踊っている私は何だ?

狂ったように舞い踊る

この様は何だ?