おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

記憶に添う人

もう堕ちる寸前の

うつろうつろには

夏夜の湿った空気が入る

 

そっと髪を撫でてくれることが

愛してるより嬉しいと

あなたは知らないだろうけれど

 

布団を深くかぶって

この世の恐怖をすべて避けた

記憶がどうしたって

逃れられず夢に見る

 

悲しい人生に添える手が

どれだけ温かいか

あなたは知らないだろうけど

 

これから幾つのものを返せよう

私が消えゆくまでの月日を

知らぬまま添ってくれる人へ

 

そっと髪を撫でてくれることが

愛してるより嬉しいと

あなたは知らないだろうけれど