ひとつひとつ
数えてゆくように
細い弓を
編んでゆくように
誰にも見えないところで
泣き泣きに手動かす
確り者の
伝え聞き
つむぎの歌
うつろなころは
皆 春気に浮かれ
とりのこされた
ひとりぼっちが
誰にも見つからないように
泣き泣き袖ぬぐい
正直者の
また伝え
つむぎの歌
明日は陽気か
誰も知れぬものを
空に聞いて
知ったふりして
なぐさめ
いつかなくした思い遣り
ごった煮にして
飲みほして
明日にわすれる
つむぎの歌