病慣れの少女はもう
薬師に通わなくなり
さすれば彼方からの便りも絶え
熱日が続いた
道連れるように
加護も弱まる
五差路で離ればなれ
もう二度と寄り向かぬ
秋祭りの灯には早い
託す関所なくて
花おえる理由もつかない
夏に倒れ込んだ
あぁ病慣れとは恐ろしいもので
生きゆく糧にすらなる
其の擬態が
もう前世かのような
遠きにあった恋心など
連れてゆきましょう
其れくらいは許されるわ
薬師は今日も妖しい灯
連れてゆくには早いけれど
見定めているのね
何の気も抜けないわ