病のふりして表出するから
だれも気づかずに終わる
生涯が幾つあったろう
呪文に聞こえた
弱声の女がぶつぶつと
それは願いであったのに
だれに弔いを
伝えたら
振り仰いだら
人々が
夢や希望を掲げた隙に
黒い思いも
形成さないだろうか
病としてしか説明つかぬ
実感持つものは生きるに耐えず
知らぬものは気づかず絶えて
呪文としてでも
いいから一度聞き入れてはくれないか
切な願いであったのに
だれに薬乞いを
伝えたら
泣き落としたら
国々が
争いに暮れ和平を成す隙に
淡い願いも
形成さないだろうか