おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

願いはだれに

病のふりして表出するから

だれも気づかずに終わる

生涯が幾つあったろう

 

呪文に聞こえた

弱声の女がぶつぶつと

それは願いであったのに

 

だれに弔いを

伝えたら

振り仰いだら

 

人々が

夢や希望を掲げた隙に

黒い思いも

形成さないだろうか

 

病としてしか説明つかぬ

実感持つものは生きるに耐えず

知らぬものは気づかず絶えて

 

呪文としてでも

いいから一度聞き入れてはくれないか

切な願いであったのに

 

だれに薬乞いを

伝えたら

泣き落としたら

 

国々が

争いに暮れ和平を成す隙に

淡い願いも

形成さないだろうか