遠い目の前の物語
泣いて済むなら泣くものを
遥かに伝えは
澄む空を
見ていた朝辺の宵名残
風吹いてふわり
熱帯びてふらり
元来それでよかったはずの
何時に夕飯
何処向いて祈り
まだ為せぬ業に惑う癖
酔え酔え
何人も
同じ土の下へゆくだけの
遠い目の前の物語
血流すことに慣れた者
眼背けること覚えた者
おんなじ星での物語
遥かに歌えば
ゆく人も
静かに送れよう
誰の知恵
宵背に縋り
季はもう逆戻り
惑う間ひとつくれないの
追え追え
何人も
いずれは土の下に眠るだけの
遠い目の前の物語
争い避ければ
争いの起きる
腕も足も傷
心重く
いずれ眠るまでの
遠い目の前の物語