蒸し蒸す夜は
触れる前から
肌があつくて
逃がし場がなかったのよ
声上げるのも無理ない
夏はゆき
さよならも
厭わぬ様を見せている
肌を焼き
噎せかえす
戻るまでにはもう少し
此方に構わず
ゆく夏のよう
あなたは激しく痕を残し
ただただ去るのでしょう
涼みの夜は
仰ぐそばから
肌はふやけて
かけ飛ばすボタンたち
凍えるまでのひまつぶし
夏はゆき
その律儀
色づく町を待っている
離れても
ぶり返す
恋熱にやられ身は疼く
去り際が熱い
ゆく夏のよう
あなたは身の内から燃やし
ただただゆくのでしょう