国道3号
蒸す夕に
必死で自転車こいでった
千早の手前で赤空が
覆ってきた
苦しいよ
あても無いのに
ふらふらと
急かされても無いのに
キリキリと
暮れる寂しさ
闇明かりの導き
まじり交じって
息ついた夏
海の気がするよ
どこまで走っても
追ってくるのか
向かっているのか
ふといのちはあるのか、まで
行き着いてしまう夏
なぜああも平気で
日常を送れるのだろう皆
此方は生活というものの前に
思考が存在が
そうか
掻き消したくて
逃げ切りたくて
自転車に乗るのが好きなんだ
国道3号
4車線に沢山の車がトラックが行き
なんとなしに誤魔化せる今日
箱の日常風景に
帰ってきて
安心するような
沈みこむような
言い表せぬ夜に
行き着いた夏