やわらか和傘の中に来なんせ
悪いようにはせんからね
夢路を通いと見受けたが
思い違いも恋のうち
雫ひとつも尊き浮世
何時も手招き
硝子玉の振りをして
棚からひとつの餅が落ちた
ひと節いっしょに歌いなせ
宵は遠かろ
まだ少し
雨空かくれて恋惑お
何時から手を引く
いなせな人の
影見て逃げるも
ついてゆくのも
街には咎められんから
しっかと恋の振りをして
空からひとつの雫が落ちた
これで十分合わさることも
宵を呼んだろ
まだ少し
雨空かくれて酔ってこい
やわらか和傘の中に来なんせ
どうせ浮世におるからね