おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

揺れ沈む女である

窓には名も知れぬ

白いさやさや

ブラインドとは違うのかしら

あなた手慣れて

景色を閉めた

もう哀しくも女でいる

 

時間がゆくなら

この身一つ

預けることが何故に怖いのかしら

 

優しい人で駄目ならば

この世に安らぐことはなし

息を詰めても遠ざかる

波のように

夜に揺れ沈む

 

いずれ知るでしょう

旧い話も

ひととき忘れて清らの振りを

夜景の綺麗な街だと聞いた

一瞥もくれず女でいる

 

時間が此処から

続く気配は

無いしあっても信じられずに

 

優しい人のこの腕を

今まさに裏切っているよな

上り詰めたら落ちるだけ

波のように

そんなことばかり思案して

 

風がさやさや

そんな気配は

戻れないところに置いてきたの

 

優しい人に沿うように

もう哀しくも女でいる

息が途絶えて眠るとき

波のように

夜に揺れ沈み

忘れてゆくのよ

あゝむべなるかな