おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

風性

声を失ってしまったの

だからこの歌は聞こえないでしょう

起きあがるのも精一杯の

情けない身になったのよ

 

ちらり時計の針が煩く

微笑んでいる人は遠くて

かなぐり捨てていいのなら

今すぐ其方に行くものを

 

苦しみこそ輝きを放つものだと

綺麗な歌が流れる街に居合わせて

そんなことないと言いたいわ

私は幸せになりたい

 

指先から冷えてゆくの

抱きしめてくれた人ももう見えず

あぁこうやって疑似の最期を

幾つ知ったらいいかしら

 

もうね時計の見目も疎まし

ラララ鼻歌 耳に恨めし

吐き散らかしていいのなら

汚い言葉が溢れるものよ

 

悲しみの後に日が差すのだと

浮ついた歌が流れる街を見て

回りくどくてならないわ

ただただ幸せでありたい

 

三欲も五欲も捨てる

声も失ってしまったの

綺麗なものが遠ざかっても

手にして

えてして

求めるもので

 

私は幸せになりたい

ただただ幸せでありたい