おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

心はいつも波前に

凛としていたいと思ったものよ

夕凪夜凪は味方でも

傍にはいられぬものだから

 

私のこの足でしっかりと立って

前へ前へと進めなくても

せめて

己くらい支えていたいと思ったものよ

 

だって、だって

誰が救ってくれた?

今も今も

続く独りよがり

 

波音は記憶だけでも

充分あるから大丈夫

言い聞かせるうちに真になる

どんなに不確かな命でも

 

確と生きようと思ったのよ

 

海町頼り

車走らせ

まるで楽しみに行く人たちを

えらく嫌っていたのはね

 

もっと恐ろしいものなのだと

そして温かい拠りどころだと

知っていたからなのでしょう

 

凛としていたいと思ったのよ

夕凪夜凪は見えていて

絵より現実より強く

胸に押し迫る世の証

 

負けるわけにはいかないと

弱い身体で思ったのよ

 

波前にいるでしょう今も

狭く暗い部屋でも世でも

凛としている限りは

心はいつも波前に