おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

堕ちてゆくほか

昼に寝ざめて針を追う

後づけの理由はいくつもあって

生きにくいと言えば沢山

生きていられると言えばそこまで

 

昨日炊いた飯を食み

金勘定ばかりしている

持てる者のそれではなく

持たぬが故の勘定が

 

世をむなしいと名づけたなら

堕ちてゆくしかないだろう

その底で

あぁあの時はましだったと

呟くほか

 

幸福の感じ方を

知らぬから何処までも

堕ちてゆくよりほかないだろう

決して天に祈らずに

 

懐かし節を思い出し

そこに綺麗な思い出でも

一緒につけられたらいいけれど

浮かばないから困りごと

 

あぁあの時に戻れたらと

青い季節が恋しいと

人の言っても

歌の嘆いても

私はそんなこと思わない

 

恋しがるほどの思い出に

出会えたためしがないもので

世の隅で

否、存在からあるか分からぬ所で

ただ息をする獣です

 

幸福の感じ方を

知らぬから何処までも

堕ちてゆくよりほかないだろう

決して天に祈らずに