おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

月と地に依り

月は時を悟って

去ってゆくほかなかったのだろう

思いの外

営みというものは

我慢と運命の上にある

 

耳を澄ませることなしには

気づけぬようにできている

 

また思いで括った顛末が

春か現か届くだろうか

思いを悟った天上が

応えてくれることもあろうか

 

じわりじわり

進まぬように見せながら

進む

 

月は円を描いて

そんなつもりもないのだろう

人の世には

営みというもの

説明しなければ気が済まぬ

 

声を聞かせることなしには

気づいてももらえぬのだから

 

また思い出話の力に依って

今を春よと生きること

遠ざかるもの遠ざかれ

追わずに地上で眺めよう

 

じわりじわり

進まぬように見えてなお

円を描く