どうしてあの子は
あたたかな家に帰ってゆくの
いじけてばかりは嫌われるけど
砂浜を引っ掻くくらいだ
夏前の
気は日は弾んでいるのに
どうしてあの人は
私を置いて街へゆくの
恋よりも寂しさが勝った
美しくない思い出
海前の
自分だけ捻ている歯痒さ
みんなそうならよかった
等しく苦しいなら
だけど引き摺りこもうとは
思わないよ 思わないよ
海がそうであるように
僻んで蹲るだけの
人にはならないと決めたんだ
海前の
日を見るだけで
思い出してしまう