おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

風病と夏雨

傷んでも

それをすぐに言葉には

出せない世ね

 

夏名残りを

流してゆく雨

具合よくなるわけでもないから

 

生きたふりでもして

抜け殻になってみたいもの

もういいよ

誰か言ってくれれば

途端に事切れるのに

 

もういいよ

誰も言ってくれないから

ぼんやりでも繋ぐじゃない

 

咳をしても

ほらね1人

昔の人の云うように

 

夏風邪にも

負けるな私

ここに在りとは

胸を張れなくても

 

生き間違いは

死んでも気づかぬものでしょう

よくできて

誰の愛があれば

救われる

 

もういいの

見えないものは

信じないことにしたから

 

蟠りを残してゆく雨

ますます病んでゆくだけでも

いいのよ

いいわけないけれど

 

口に出せないまま

闘った人

雨が天にかえるころ

そう在ったと伝えてくれれば