おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夕凪夜凪

さあまた波の語りゃんせ

夕凪 落ちる日に溶けて

輝き淡く消えるまでが物語

 

人の営みの終えるころ

世の凪ねがうように

そっとゆらり風のゆく

もう傷つくことなかれ

 

しゃぼんを吹いた少女もまた

いつのまにか大人になるように

 

さあまた愛よ通りゃんせ

夜凪 静かな月みせて

まばたきする間の人生と

知るが先かの物語

 

鳥の声の消えるころ

この凪つづくように

そっとふわり羽が舞う

疾うに労わる手をとって

 

砂辺に駆けた少年もまた

くじいた足を癒すように

 

さあまた波の語りゃんせ

夕凪 落ちる日に溶けて

 

さあまた愛よ通りゃんせ

夜凪 静かな月みせて

 

ねがったふりの弱き身が

まこと思えたときまで

波音たどるまでが物語

 

夕凪夜凪

静かに辿れ辿る物語