おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

そよげる世

お前ひとりの涙など

誰がその気に留めようか

風もそよげる凪の世に

言われた気がして

 

捻ねたものだね

気づけば尚に

 

声をくれた人のこと

忘れたわけではないのにな

たったひとつ

うたうたいも苦しくなったら最期

 

もう行くしかないから繋いでる

ひと息、ひと息、繋いでる

 

陰に隠れた草むらを

追われる身でもないはずが

船が港に近づけば

笑われるような構えが

 

染みついたのね

思えば尚に

 

声を上げて泣いたのは

数えるほどしかないからな

呆れられるくらいには

我儘でいられたなら

 

目を閉じるときは安らかだろう

もうじき、もうじき、来るのだろう

 

こんなそよげる世に嘆くとは

 

声をくれた人のこと

忘れたわけではないのにな

たったひとつ

うたうたいも苦しくなったら最期

 

もう行くしかないから繋いでる

ひと息、ひと息、繋いでる