おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

留まるだけの弱き身で

日が経ったからと

それだけの理由で

毒が抜けるわけでなし

この身は錘をつけたように

変わらず唸った

 

日曜の街帰り

幾つもの声が華やかなら

世を疎む理由だけが

増えてゆく

歯痒さを隠して

 

夏は逝った

帰り道も忘れたか

追うに足らぬ身で

この地にこの部屋に

留まるだけの抜け殻

 

日が昇り沈んでも

律動にはついてゆけぬ

この身は世に弾かれたように

苦しく朽ちそうだ

 

日落ちる様も

四角の窓越し

それも反射の反射を見て

ぼやけるだけの

景色にも足らぬ景色

 

夏は逝った

戻る約束も

同じものは巡らない

この息つなぎ待てど

会えるか知れぬのに

 

日が経ったからと

弱るばかりの歯痒い身持ち

夏は逝った

せめての見送りも窓越し

留まるだけの抜け殻