春眠、白昼すらおぼろげ
開け広げてもいないのに届く町の香
何もかも重くて一時、いのちが立ち止まる
歌はどこへ行った
さやと水の流れ
作りものでも流して心落ち着け
念じるほど遠きものになる
次第、気色の穏やかでない
澄んだものなど寄越してくれるな
また天への小言
与えられた生命線、途絶えて知る尊さ
歌はどこへ行った
声の出ないわけでなし
紡げぬ口惜しさも
やがて万事朽ちてしまえとな
ただただ重くて一生、続く気にもなる
歌はどこへ行った
また眠り落ちて夕露を待て