おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

2つの背中


2つの背中

2つの背中をずっと見ていた

かなしいことにつまずいても

心安らぐ場所があれば どんなに楽に生きられるだろう

2つの背中を遠く見ながら ずっとずっと考えてた

 

もう子どもじゃないから本当はすぐに追いつけるけど

わざと距離をとってゆっくりゆっくり歩いていた

 

ふるさと

あたたかい町にも冬は来て 

散らつく雪の朝

もう 追いすがるだけでは凍えてしまいそう

 

2つの背中に問いかけてみた

かなしいことは尽きないけど

土台(ベース)を持たぬこの心じゃ どこへも行けない気がしてるの

いつまでも満たされない気がしてるの

冬のせいではないのだろう

 

憎しみ ぶつけてもいいのか

憐れみ 持っていいのか

波の音も強くなったね

壊れてしまいそう

 

2つの背中がそこにあるのを見られるだけで幸せだと

僕にそっと説く人もあるだろう

だけどまだ大人じゃない

 

2人のあいだに生まれたことを 何と思えばいいのだろう

かなしいことにつまずきながら 

不安定ないのちを燃やしてゆけるかな

2つの背中が遠ざかるのをずっとずっとずっと見ていた