狡猾なぶん臆病よ
写真で笑うのは得意でも
どっちつかずで狼狽えている人を
見たことがあるけれど
ひとつ体に併せ持て
いよいよ何処にも行けないわ
明日は浜風を受けるなり
広がる堀周りに空気澄ませて
すっとした振りしにゆこう
凭れ掛かる背もないけれど
何も負わなくていい自由の身
かなしいなんて言わせないでね
惨めが際立つから
何があっても大丈夫なんじゃなくて
何かありながら表向き繕うことに
慣れている
何処かからやり直せるとして
この心持ちへゆけるだろうか
完璧でなければ生きても居られない
そんな強迫観念に作られた
身ひとつの戦いです