おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

待ち待ち夜泣き

涙堪えるのに慣れたら

次はどこへゆこう

いっそ泣き泣き

夜泣きの赤子

真似て暗闇に逃げようか

 

じわり足音はそこまで

この世を後にすることは

行くのではなく帰るのやも

 

そんなことを

思い思い

暮れて明けるのを

待ち待ち

 

誰称えるか鐘の音

全てまやかしの中にいて

それだけが確かだと言えるはずもなく

 

ぞわり死の時を知るのは

まさにその時に違いない

悟るよりも感じるだけ

 

そんなことを

思い思い

泣き止みまた泣き出すまで

待ち待ち

 

いつかのメロディー

もう大抵のことにはピクリともしない

言い聞かせて

本当にそうなってきたところだったのに

久しぶりのHello,Againに泣いちゃって

かっこ悪いのなんのって

いいのよ

まだ純度があったのね

神様づてに私を褒めよう

 

ラララ

今なら声高く

ラララ

覚え間違ってた詞で

ラララ

本当はただ

歌っていたかったんだね

 

もうだんだんと暮れてく空に同情

命を慈しむ間もなく

閉じてゆくこと思いながら

心を開くのは難しいけど

泣かしてくれるじゃない

メロディー

生きてないと出会えなかった

出会えないから

 

ラララ

かっこ悪いことを

ラララ

除いていっても

ラララ

どうせ残るのは私だから

歌っていたいんだね

 

暖冬は

時を過ぎ語られる

いつか泣いた場面をそのまま

思い出すどころか

そのまま持っているから

 

ラララ

好きなだけいいよ

ラララ

歌っていたいんだよね

ラララ

飽きもせず世には

溢れるように

泣いちゃうように

月を見ているときに

月を見ているときに

月は地を見ている

呼ぶ声も嗄れたときに

向こうも押し黙る

 

かわりばんこ

泣いていいよ

なんにもできなくていいよ

 

月を信じている人に

少しの気を送りましょう

 

夢を見ているときに

夢はあなたに気づいている

痛みを覚えたときに

それを解く術も知る

 

ぐっと握りしめて

泣いていいよ

笑ったっていいんだよ

 

夢を見ている人に

それが真だと伝えましょう

縁側と心丈夫

弱さならそこに置いておいて

繕っておくから

何か食べたの?

碌なものないけど

冷蔵庫の中好きに漁って

 

ないないねだりの世に居ても

ぐっと堪えたあなたのことを

 

きっと誰かが見ているわ

私の目にも少し映って

そして翳って

心配になるから

 

この縁側がほんのひととき

心丈夫になればいい

 

泣き跡はそのままにしておいたわ

いつか要るものになるでしょう

碌なことないよね

その若い身で

気づいて可哀想なこと

 

そして賢いあなたのことを

表立ってはいないけど

 

きっと誰かが見ているわ

寄ってきた子猫そっと掬って

やわらかい手に懐くでしょう

 

この縁側でほんのひととき

心丈夫をおぼえてね

 

儘ならぬよう

できているのか

そう問いたくなるほどね

 

この縁側がほんのひととき

心丈夫になるように

 

ずっとあなたを見ているわ

私が死んで

寄る辺なき時も

きっと誰かが見ているわ

 

埃はたいて

好きに使って

 

この縁側がほんのひととき

心丈夫になればいい

合図と意地

スクランブル交差点のど真ん中で

手を振ったら気づくだろうか

それとも大海原で?

 

なんだかんだ

意地っ張りな人に恋をしたような

だけど、そうね

実体もない

私の気狂いXXX

それでいい

 

間違ってたら教えてほしい

合ってるなら合図をください

どうせ虚しい1人空回り

 

そうだ、今夜星が見えたら

全力で睨んでやるんだから

 

よちよち歩く子どものように

見えてるんでしょ

ずるいったらない!

 

なんだかんだサディスクティックな

人に恋をしたのかな

実体にない

私の気狂いXXX

もういいわ

 

今日も巷のミュージシャンは

眠れない子羊たちに

遠い空から素敵な歌を

届けてくれるそうよ

 

少しは見習ったら?

 

意地っ張りもいい加減に

飽きてきたころだから

せめて正体の欠片ひとつ

それくらい見せてくれていいじゃない

 

わざと人ごみに隠れてやる

見つけられないくらい

腹かいて

子どもだって笑ってるなら

それもいいわ

私はあなたの子

 

間違ってたら教えてほしい

合ってるなら合図をください

どうせ虚しい1人空回り

雨傘ひと節

やわらか和傘の中に来なんせ

悪いようにはせんからね

夢路を通いと見受けたが

思い違いも恋のうち

 

雫ひとつも尊き浮世

何時も手招き

硝子玉の振りをして

 

棚からひとつの餅が落ちた

ひと節いっしょに歌いなせ

宵は遠かろ

まだ少し

雨空かくれて恋惑お

 

何時から手を引く

いなせな人の

影見て逃げるも

ついてゆくのも

街には咎められんから

 

しっかと恋の振りをして

 

空からひとつの雫が落ちた

これで十分合わさることも

宵を呼んだろ

まだ少し

雨空かくれて酔ってこい

 

やわらか和傘の中に来なんせ

どうせ浮世におるからね

海風

今はもう見えない海

呼べば呼ぶほど返しのない

遠く遠くへ来てしまった

自分の足で向かったのに

 

泣いたって

縋りつく腕もない町

嫌いだよ

言ったって

海風の心地を知ってしまったから

嫌いなわけないよ

 

校舎より待ち合わせは

目の前の砂浜がいいね

明日もし

笑えなくて

居られなくなった部屋出てさ

おいで

 

呼び声、手招き

それすべて

海風で伝う

なんてこと

 

ひどい町だよ

苦しさと

一緒にこんな代物を

 

今はもう見えない海

遠く遠くへ来てもなお

今は海

またと無きねんねころりも

おさな耳には知れぬもの

今は海

この世は海

たまのたまに

己の息つづく間を

 

すべてだと

思い違っただけのこと

今は海

ひたすらに海

 

白髪に見慣れぬ宵

おさな子の寝ず耐えるころ

今は海

この世は海

なぜに人ひとりが決められよ

 

すべてを見

知った者が

この世のどこにもおったかと

 

今は海

ひたすらに海

この世は絶えず

今は海

由緒

王は何処にもおらぬ

街は死んでいる

腐敗の影でなく形そのものが

至る所目について

 

神は何処にもおらぬ

口が裂けても言えぬ

よすがにだけは手出しもできず

ぼんやり存在させておく

 

どうしてもと言うならば

旧い書でも読めばいい

 

帰れない時の中で

還る時を待つだけの

虚し身に少しでも

足しになろうか

 

絶望を呼ぶこともあると

知って向かうなら

止めることはせぬ

children

わたしたちが生まれたころ

世はすでに翳っていて

気づいていたわずかな人たちが

そっと名前をつけてくれた

 

夢の国に生きて

帰ってこない人もある模様

構わないから好きにして

わたしもできるなら好きにして

 

世に生きるということは

気とも情とも離れられず

のらりくらりを上手くして

耐えるか嘆くかということね

 

そっと気づいて

名前を持って

酔って

酔ってなお正気を持って

 

わたしたちが生きるころ

なんだかんだと嘆かれても

わたしは嘆くだけで

終わらせたくはないものよ

 

無気力にみえるでしょうけど

わりと強い思いもあって

 

わずかな人にでも伝わるのなら

嘘の1つも

歌の1つも

平気の平左でやるものよ

 

遊び歩いた心に聞いて

轍割れても居るものよ

 

わたしたちが死ぬころに

何と言われているかしら

そんな欲さえ捨てたなら

褒めてもらえるものかしら

やっぱりそれも欲と呼び

堂々巡りするかしら