おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

縁側と心丈夫

弱さならそこに置いておいて

繕っておくから

何か食べたの?

碌なものないけど

冷蔵庫の中好きに漁って

 

ないないねだりの世に居ても

ぐっと堪えたあなたのことを

 

きっと誰かが見ているわ

私の目にも少し映って

そして翳って

心配になるから

 

この縁側がほんのひととき

心丈夫になればいい

 

泣き跡はそのままにしておいたわ

いつか要るものになるでしょう

碌なことないよね

その若い身で

気づいて可哀想なこと

 

そして賢いあなたのことを

表立ってはいないけど

 

きっと誰かが見ているわ

寄ってきた子猫そっと掬って

やわらかい手に懐くでしょう

 

この縁側でほんのひととき

心丈夫をおぼえてね

 

儘ならぬよう

できているのか

そう問いたくなるほどね

 

この縁側がほんのひととき

心丈夫になるように

 

ずっとあなたを見ているわ

私が死んで

寄る辺なき時も

きっと誰かが見ているわ

 

埃はたいて

好きに使って

 

この縁側がほんのひととき

心丈夫になればいい