先生

先生、私のこと嫌いですか

早く大人になりすぎた この虚しさをどうしたらいいのですか

 

先生、季節の風 青春の校舎は私にとって違和感の街

生きる意味の前に 生きてるかも分からないの

 

とりあえず明るく振る舞えるけど

 

縋りつきたい その腕に

優しく笑う瞳の奥で

あなたは深く苦しみを知って 受け入れてくれると感じてるから

 

先生、机に伏せたあのコのこと いつも気にかけて構っている

それを横目に私 子どもじみた感情で

 

先生、私だって息のできない暗闇から這い出てきたの

怯えは消えない

分かってほしいのに

 

決して口には出さないけど

 

理解者が今 ただ1人いれば違ってくるはず この世界

憧れも飛び越えて 恋だと取り違えるほどに

 

先生、あなたのこと この胸にある

 

先生、そう決めれば いくらでも汚くなれるこの世界で

私を留めたもの

あなたに嫌われたくなかったから

 

先生、その深い目がとても怖くて

全て見透かされるようで

だけど 全て受け入れてくれる期待もあるから

 

私、ちゃんと愛される子ですか?

 

脆くて激しい感情が 15の小さな胸にうずまいて

今 あなたに縋る

それだけが救いなの

分かってほしい

 

先生…

あのコは暗がりの中

あのコは暗がりの中

私は光の下

それはとても誇らしいこと

だけど決して気分いいモンじゃない

 

教室の隅 うつむいたあのコ

何を思ってる?

笑い声に弾かれて 消え入りそうな視線

 

あのコの思いを振り切って 自分を守るので精一杯

私だって倒れ込みたい 今すぐ

それでも懸命に生きてる

 

どうして暗がりの中

どうして光の下

何が分かつの 2つの青い心

それぞれ苦しみ抱いて

 

チャイムが響く音楽室で 偶然に2人

後ろめたさと惨めさで私 全力で走ってゆく

 

私はあなたが思うような 明るく優しい人じゃない

身勝手な苛立ち募るばかり

幼い感情で傷つけるけど

 

あのコに分かるかな

私の虚しさとか

決して何の代償もなしに ここに立ってるわけじゃない

 

あのコに思いを馳せる時 私の醜さが際立って

ごめんね 卒業まできっと私こわばった仮面のまま

 

あのコは暗がりの中

私は光の下

呪文のように言い聞かせても

息苦しさ増すばかり

 

あのコはとても弱くて やわらかく、あたたかい人

私はまだ醜い光

同じハコの中

続いてゆくんだろう

教室の隅から、愛をこめて

輝く人には分からないこと 起こってるよ 教室の隅で

残酷な朝を迎えて今 チャイムとともに席に着く

 

きっと今日もまた

 

憧れてうらやむ私を笑ってくれることもないのだろう

だって あなたの目にも留らぬ

かなしい 教室の隅から愛をこめて

 

伸ばした髪をバッサリ切ったね

いつも無邪気に笑ってるよね

机に伏せて見ないようにしてる

眩しすぎるの 私には

 

同じハコの中にいても

 

すれ違い 互いに悩んだり

一緒に歩くこともないのだろう

今日もあなたを遠目に見てる

かなしいね 教室の隅からじゃ届かなくて

 

また明日も

 

憧れてうらやむ私を笑ってくれることもないのだろう

だって あなたの目にも留らぬ

かなしい

教室の隅から愛をこめて

f

記憶のはじまりからいい思い出はない

虚ろなままきたから感情の持ち方を知らない

 

大きな背中いつか小さくなってくとか

何かの本で読んだけど そんなことあるだろうか

 

私どうかしてるかな

 

きれいな気持ちだけじゃなくて

それは今も変わらなくて

ありがとうなんて言わないけど

あなたがいなければ私生まれてない

ただそれだけ

 

安らぐはずの家に入る時

いつも息をのんで怯えてた

どこよりも嫌いなハコ

 

三つ子の魂 引きずってさ

 

歪んだ気持ちぶつけられず

歪んだままでここにあって

大好きなんて言えるはずないでしょ

教わってないものは返せない

 

あなたがいなければ私生まれてない

 

今言えるのはそれだけなのが まだ幼い証拠だろうか

それだけでも言えるのは 成長した証だろうか

 

きれいな気持ちだけじゃなくて

それはきっとずっと変わらなくて

ありがとうなんて絶対言わないけど

あなたがいなければ私生まれてない

ただそれだけ

雨の讃歌―「自然を讃ゆる詩」より

雨の音に夢は破れ

雨の音に愛を知る

雨のにおいのした町を忘れるはずもない

 

雨よ

雨よ

雨よ

どうしてあなたが生まれたの

雨よ

降り注ぐ今の身に問うでもない

 

雨が降ることで

夢を見られるの

時に遣らずの雨

 

雨よ

雨よ

雨よ

この世の無情を晴らすよう

雨よ

降り注ぐことが天にできる全て

それを受けることがこの世の全て

交錯

悲しいこともあるという

僕は生い茂る草の中に隠れ

愛しいものを愛しいと言える季節を待っている

 

夜明けの街の冷えた空気を吸って気づく もう秋

ビルの間に明けるオレンジ その色はふるさとと同じ

 

悲しいって言ってもいいかなぁ

目の前で倒れ込む彼女(ひと) 捨て置いたけど

 

優しい人でありながら 傾ぐ思いもあるだろう

慣れない空に怯えても 正しい時はやってくる

 

自転車でゆく一本道は 誰に望まれてる?

幼いままに不幸ぶってさ いつまでとらわれてる

 

交錯する 過去・現在(いま)・未来よ

「自分を愛せ」

戯れ言がまた聞こえてくるね

 

優しい人になるために 重ねた嘘もあるだろう

苦しむために生まれたの 

誰が言ったか 夕暮れに

 

アダルトチルドレン

泣きたいのは 辿れば誰のせいでもなく

悲しいよね やり場のない幻覚(いろ)によどれた

 

優しい人に会うという 僕の祈りにも似た希望破れ

愛しい者は愛しさゆえに 何も言えずに佇むけれど

 

愛しい者よありがとう 生まれてくれてありがとう

ひとり、草陰 息潜めながら そんな言葉を待っている

言える季節を待っている

何も言わなくてよかったね

そこに海があったから

蒼くきらめく風にゆられ

心ふたつそこにいた

 

まだ君の心みえず

制服のままで走ってきたの

 

何も言わなくてよかったね

そこに海があったから

手をつなぐこと寄り添うこと

何も知らずそこにいた

 

まだ未来も感じられず

ただ今を過ごしてゆくの

 

何も言わなくてよかったね

そこに海があったから

最後のチャイムがひびいてくる

波の音とまざってゆく

 

何も言わなくてよかったね

そこに海があったから